介護業界への需要の高まりは勢いを増しており、日本各地でたくさんの介護施設が運営されている。介護施設は、施設の種類によって提供しているサービス内容は異なるが、どのサービスも高齢者にとっては不可欠な存在となっている。しかし介護業界は慢性的な人手不足という問題を長年抱え続けており、各介護施設では常に人員の確保に苦労している。

慢性的な人手不足になっている大きな理由の一つが低賃金という事にあり、さらに仕事内容の過酷さが離職率が上昇することに拍車をかけている。大手企業ではスケールメリットを活かして経費の削減を行い、スタッフの給料アップに繋げたりしているが、一般的な規模の介護施設ではそのような方法で経費削減を行うことはできない。

そこで一般的な規模の介護施設では採用基準を下げることで無資格者をアルバイトとして採用し、採用後に資格取得をしてもらうなどして有資格者の確保に繋げている。そのためには無資格者ができる仕事を明確にしておくことや、採用後に働きながら資格取得に向けてスムーズに動き出せる環境を提供する必要がある。具体的には、資格取得において最もネックになる費用面の援助を行ったり、講座を受けるためにシフトとの調整を可能にしたりしている。

無資格者にとっては少ない負担で資格を取得でき、さらにシフトの融通まできかせてもらえるので、資格取得後に働き始めるよりもメリットが大きくなる。こうして無資格者でも介護業界に足を踏み入れやすくなるよう努力しているのだ。